ロウ・ファンタジー小説の中でも近年最も人気な作品である「ハリー・ポッター」シリーズ
その登場人物「ミネルバ・マクゴナガル」についての記事。
What scene did Maggie Smith (Minerva McGonagall) find most memorable throughout the #HarryPotter films? Ask @WBTourLondon! pic.twitter.com/t2V75iHjPL
— Harry Potter Film (@HarryPotterFilm) 2018年11月27日
「ハリー・ポッター」においてよく指摘されることとして、映画と原作小説との差異がある。
中には物語の根幹における重要な人物の描写や、なかには一度登場した以降音沙汰なしのキャラクターも存在する。
映画の尺の都合上仕方ないというのもあるが…(ピーブスはいいキャラしていると思うのですがね)。
だが、映画では原作小説の雰囲気をよく表現しており、俳優たちの演技も相まって多くのファンを魅了している。
どのキャラクターも魅力的であり、中には映画で表現されたことで人気が急上昇したキャラクターもいるのではないだろうか(マルフォイとか例のあの人とか)。
そんなハリポタの気になる設定について語りたいこところではあるが、今回は、ホグワーツ魔法学校において主人公ハリーたちの所属する寮「グリフィンドール」の寮監であり、「変身術」の担当の先生であるミネルバ・マクゴナガルに注目していきたいと思う。
マクゴナガル先生の劇中・作中での動向
原作の小説において一番最初に登場する魔法使いは、実はマクゴナガル先生である。
ダーズリー一家が住むプリベット通りの看板を見ている猫こそ彼女であり、物語がマグルの視点から、ダンブルドア先生と彼女の語りへ移行し、そこで彼らが魔法使いであることが何となく判明する。
また、映画では、変身術の授業において、猫からとんがり帽子を被ったマギー・スミス姿に戻ることで、彼女が変身術の先生であることをより見せつけている。
この動物に変身する魔法であるが、作中においては「動物もどき(アニメーガス)」として説明される。
その後にも、三作目「アズカバンの囚人」ではハリーの名付け親であるシリウス・ブラックは大きな犬に、裏切り者でありロンのペットであったピーター・ペティグリューはネズミに変身するなど、割と一般的な魔法であると思ってしまうが。
設定では「アニメーガス」は非常に高度かつ危険性の高い変身術であると説明されている。魔法省が認定している資格制度となっており、彼女は20世紀において七人しかいない公式の「アニメーガス」の一人であるという。
取得した目的が「自己研鑽&研究」とあり相当優秀な魔法使いであることがうかがえる(しかも在学中に資格を取得したとか)。
そんな、マクゴナガル先生の人物像であるが、厳格そうな顔つきに違わず性格も厳しく、校則を破った生徒には自分の寮の生徒であろうと容赦なく減点・罰則を与える。
第一作「賢者の石」の作中ではハリーたちが夜な夜なベッドを抜け出したのを発見した際、一人につき50点の減点をした。
その一方で、情に厚く優しい性格であることが作中からわかる。
第四作「炎のゴブレット」ではマッド=アイ・ムーディー(バーティミウス・クラウチ)がマルフォイに対し、えげつない体罰を与えていた際にはマッド=アイを諫め、第五作「不死鳥の騎士団」では「占い学」の先生であるシビル・トレローニーが解雇され学校から追放されそうになった際、「占い学」に対しては懐疑的であったものの真っ先にかばいに現れた。
ほかにも彼女の温厚さを表す描写は多くあるのだが、それは原作小説をぜひ確認してほしい。
マクゴナガル先生の数少ない欠点として、クィディッチに熱くなりすぎるところがある。
賢者の石」ではハリーが見事に箒を乗りこなしたことを目撃した際、「一年生はクィディッチチームに所属できない」というルールをダンブルドアに改定するように求め、しかも高性能な箒である「ニンバス2000」を個人的に与えた。
また、試合中には解説役に対して「公正な実況を」と言っているものの、マルフォイがハリーに対し卑劣な反則行為をした際には「このカス、卑怯者!」と怒り狂い、汚い言葉遣いになってしまった。
実はこの様変わりには理由がある。
彼女も学生時代にはクィディッチ選手であったが最終学年時においてスリザリンとの決勝戦の際に重傷を負い、そのことが原因でグリフィンドールとスリザリンが対戦する際にはスリザリン側に敵愾心を持つようになってしまったからである。
原作小説の中ではマクゴナガル先生のプライベートを示す情報はないが、各書籍や「ポッターモア」では、ある程度彼女の設定が明かされている。
ミネルバ・マクゴナガルの来歴
彼女の出身はスコットランドであり、父はマグルの牧師のロバート・マクゴナガル、母は魔女のイゾベルとの間に生まれた。牧師が魔女と結婚するというのはいざこざの原因になるのではと疑問は沸くが、二人の男の子にもに恵まれたところを見るに、悪い家庭環境ではなかったことがうかがえる。弟二人のことを彼女はよく面倒を見ていたようだが、不幸なことに一人は死喰い人に殺されてしまう。
結婚・夫・子供について
ホグワーツを卒業後に故郷の農家の息子でマグルであるドゥーガル・マクレガーと恋仲になり、彼からプロポーズを受けるも彼女は魔法を隠して生きることはできないと悩んだ上で断った。そのマクレガーの死後、当時勤めていた魔法省での上司エルフィンストーン・アーカートとマクレガーに操を立てたうえで結婚している(当時47歳)。子供には恵まれないもののようやっと落ち着いたかと思いきや、その三年後エルフィンストーンが有毒食虫蔓により死んでしまう。夫との思い出が残る職場にいることが辛かったのかどうかはわからないが、魔法省を退職し、かつて学んだホグワーツに今度は先生として戻ることになる。
ハリポタの主要な登場人物は家庭環境など周囲に問題を抱えている場合が多いのだが、彼女もその例にもれなかったようだ。(原作者もかなり悲惨な来歴である)
まとめ
今回は数多いハリポタの登場人物の中でも、要所にて主人公たちを支えるマクゴナガル先生について注目した。
作中では、理想的な教師にて優秀な魔女と書かれていたが、彼女も一人の女性であり、ダンブルドアやほかの登場人物同様に家族・兄弟があり、過去には恋愛関係も持っていた。学校にてその暗い過去を見せることはなかったのは、教え子という子供や他の教師などの友人を得たからではないだろうか。
「ハリー・ポッター」シリーズは原作七部作の映画化や外伝「ファンタスティックビースト」も二部作出てきており、その世界観はより広がりを見せている。
各々イギリスとアメリカが舞台となっているが、その他の地域、ヨーロッパやアフリカなどにも魔法使いがいることが示唆されている。
新たな外伝・続編の発表、原作者による裏設定の説明などこれからも一人のファンとして「ハリポタ」を楽しんでいきたいと思う。